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「試験科目としての知的財産法」
RC 桑原 俊
今月は、法科大学院における「知的財産法」の状況をみてみたい。 新司法試験において、選択科目のひとつとして、「知的財産法」が加えられた。初年度の、「知的財産法」の「人気度」は、 新たに加えられた科目であるにも拘らず、労働法、倒産法に続く第三位である。
(http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/shin03.pdf)
その理由は色々考えられる。昨今の知財ブームの影響というのもあるであろうし、また、初年度は、 理系からの転進者が比較的多かったという事情もあるかもしれない。加えて、筆者が周囲の法科大学院学生から見聞するところ、 「受かりやすさ」として、知財を選択する人も見受けられる。 即ち、試験科目名は「知的財産法」ではあるが、試験範囲となっているのは特許法と著作権法だけであり、しかも、著作権法のうち、 隣接権の部分は除かれているのである。そしてまた、特許取得手続のようなところは出題しようが無いので、範囲は随分絞られる、というわけである。 試験である以上、「受かりやすさ」で選択することも致し方ないことではある。しかし、気になるのは、そういう人々は往々にして、 「だから、自分は特許と著作権しか勉強するつもりはない」と豪語していることである。折角、知財を選択すると決めたのに、もったいなくはないか。 商標法も不正競争防止法も意匠法も全く知らずして、知財を勉強したといえるのか。 もっとも、法科大学院の中には、講座を、特許法と著作権法しか設置していないところも少なくなく、一概に学生側を責められないかもしれず、 カリキュラムのあり方も含めて今後の課題も多い。しかし、結局、勉強するのは学生自身であり、その気概が重要である。特に、知的財産法は、 民法、民事訴訟法はいうにおよばず、行政法、経済法、国際私法、信託法、税法等々の他の法律分野とも関連する科目であって、隣接領域にあっては、 自分から切り込んでいくほかない。 これから知財を選択しようという人は、特許法と著作権法だけでなく、知財全般に、更には、隣接領域にも手を伸ばしていってほしいと切に思う。 そんな筆者も、この夏、租税法に手を出して、泡を食っているところである。
(2006/8/30 update)
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