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「アメリカのロースクール事情」

RC 安藤和宏

 今年の8月からアメリカのニューハンプシャー州にあるフランクリン・ピアースという知的財産権法専門のロースクールに留学している。 このロースクールはコンコードという人口4万人あまりの小さな町の外れにあって、勉強するには最適な場所である(つまり娯楽がまったくない)。 特に冬は雪に埋もれる町らしいので、出かける気力もなくなるらしい。つまり、本の虫には終の住処、遊び人には監獄といった場所なのである。
 こちらに来て、日本と授業のシステムがかなり異なることに驚いた。3単位の科目は1時間30分の授業を週2回、2単位の科目は3時間の授業が週1回行われる。 必修科目や特許法、著作権法、商標法といった重要科目は3単位の科目なので、週2回の授業となる。次の授業があっという間に来るので、 予習する時間が足りず、みんな宿題をこなすのに悪戦苦闘している。
 契約法の授業はいわゆるソクラテス・メソッドで行われている。教授から指名された学生は、 映画「ペーパーチェイス」の主人公のように漏れなく苦境に立たされることとなる。 Why?、Why?の連続で、教授から解放されるまで、冷や汗をかき続けることになるのである。最初はこの授業が苦痛でたまらなかったが、 最近はこの問答が好きで授業が楽しみになった。それに担当のDickinson教授はユーモアにあふれ、人柄も優れているので、1時間30分の授業があっという間だ。
 ロースクール留学経験者は誰もが実感したことと思うが、教授はきわめて大量の宿題を学生に課す。平均で20〜30ページ、多い授業だと50ページにわたる。 これを理解するまで読まなくてはならないので、当然、外国人留学生は多くの時間を判例の読解に費やすことになる。 深夜まで図書館で勉強する学生が多いのもうなずけるわけだ。私は教授に指名された時に備えて、判例の要約を作成しているが、 一つの判例につき30分ほど時間がかかる。辛いがWritingの勉強にもなるので、これを2ヶ月前から必死に続けている。
 というわけで、我が人生の中でこれほど勉強したことはないというほど、勉強をしている42歳の秋なのである。

(2005/11/08 update)

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