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「インターネット時代における著作権保護の行方・・・保護強化の法整備の一方、高まる利用者や消費者団体からの要求への対応の動き」
RA 中山真里
デジタル時代の到来と共に、新たな技術に対応した著作権の保護の拡大が要請され、各国で法整備が進んでいる。フランスにおいては、 デジタル時代の著作権及び隣接権に関する草案が2003年11月1日に文化情報省により公表された後、国民議会の共和国憲法・立法・総務委員会によって検討され2005年6月1日に法案が採択された。 EUでは、WIPO著作権条約を域内法に合致させることを目的として、2001年5月22日の「情報化社会における著作権および隣接権の側面の調和に関する欧州議会および理事会指令」 ([2001] OJ L167/10)が採択され、加盟国はこの指令に沿った法整備を行っている。フランスでは著作権指令の国内法化のためにこれまで検討を重ねていたが、 法整備が遅れており、このことを欧州委員会に指摘され、政府が押し進めていた。 法案には、技術的保護手段の迂回や権利管理情報の改変等に対する救済やインターネットにおけるコンテンツの利用の際になされる一定の複製のための著作権の例外などが含まれている。
しかしながら、このうち著作権を保護するための技術的保護手段を回避する行為を侵害行為とみなすとする規定をめぐり、 フランスでは議論がなされている。フリーソフトウェアの支持者やインターネットの利用者団体によって、技術的保護手段の保護は私的複製の権利と抵触すると激しく反対されている。 また、フランスでは、2005年3月10日モンペリエ控訴裁判所は、DVDのコピー防止措置が正当に購入した消費者の私的複製をなすのを妨げているとして、 コピー防止措置の使用を禁止し、2005年4月22日パリ控訴裁判所も同様に、DVDのコピー防止措置は正当に購入した消費者が私的複製するのを妨げるとして、 知的財産法122の5条及び211の3条に基づき、私的複製の権利に整合しないコピー防止措置の使用を禁じ、消費者にコピー防止措置の搭載に十分な情報を与えていなかったとして、 損害賠償を命じている。こうした反対意見を反映してか、法案には著作物が適法に取得された場合は利用者に最小限の私的複製の権利を付与しなければならないと規定された。
これまでも技術的保護手段の回避防止条項については権利の過剰保護であるとか、利用者の正当な利用を阻害することになるなどの批判がなされてきた。 今日、Peer to Peerソフトウェアによる音楽や映画のコンテンツの違法な侵害行為など、技術の発展によりインターネットにおける著作権侵害は増大しており、 権利者や関連事業者団体は経済的損害の拡大に懸念を強めている。しかしながら、権利者や産業界の利益だけではなく、消費者の利益や公益への配慮も重要であり、 これらの利益の均衡を保つと共に、芸術・文化的創作のための資金調達にも配慮し、 今後のインターネット産業の発展を可能にするようなバランスの採れた著作権制度の構築が求められているといえよう。
(2005/09/30 update)
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