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 目的 | 拠点リーダー上村達男教授 |  所長略歴 | 所長の声(COE) |
拠点リーダー 上村達男法学部教授
拠点リーダー 上村達男法学部教授  日本の企業社会が抱える問題は、単に経済政策や金融政策の問題として捉えるべきではなく、 生き馬の目を抜くような証券市場が本格展開する状況に適合的な公開株式会社というものについて無知であったことに多くの原因を見いだすことが出来ると考えております。 本格的な株式会社制度とは、本格的な証券市場に耐えうる株式会社法、民事法、刑事法、紛争処理法、司法制度、会計・監査等々の総合力が試される仕組みです。 我々の拠点は、これら法分野の研究に、企業と市場という共有概念を持ち込み、まさに大規模な総合研究を行うことで、真に日本の企業社会にとって必要な視点や提言を行っていこうとするものです。まさに拠点の採択理由が、《日本の喫緊の課題につき、制度の基本構造に遡って、歴史的・哲学的に掘り下げた研究を行い、それを踏まえてあるべき姿を探求するという、目的を高く掲げた計画となっている点が評価できる》としているところに我々の気持ちが表現されているのです。
 また、大事なことは企業法制のあり方を見直すということは、言い換えれば市民社会のあり方を問うということだ、との視点です。 エンロンやワールドコムの破綻のような問題が起こった場合、本来、株主は怒るものです。ところが日本の株主は諸外国の株主ほど怒りません。 これは日本の株主の多くが法人株主だからです。ギルドや団体による抑圧の中で個人中心の市民社会を作り上げた歴史を持つ欧米では、 株式市場が個人投資家によるものであることにこだわります(アメリカでは個人のための存在である機関投資家を含めますので、個人が9割を超えます)。 市民社会と企業社会が本来非常に近い存在であるべきとの思想的背景を持たない日本は、市民社会と企業社会が乖離した法人中心の企業社会を経済の急発展と引き換えに作ってしまいました。 これを変容させていくためには、欧米の結社や団体、法人に対して有する警戒感、それを生んできた啓蒙思想や市民革命などの歴史や思想の研究まで掘り下げていく必要があります。 そのうえで、日本の企業社会は市民社会と一体の個人に優しい社会へと移行する必要があります。
 《企業法制・資本市場法制は市民社会の質を規定する》−こうした視点を持ちながら企業法制のあり方を考えるためには、欧米の経験を《論理》で乗り越える必要があります。 日本くらいこの分野で理論構成を尊重しなければならない国はないと思います。そうでないと彼らの失敗の歴史をいたずらに確認することしかないのです。こうした気持ちをこめて、 本拠点は《法創造》を研究所の名称に取り入れたのです。
 幸い、こうした研究目的に早稲田大学内外の多くの研究者が賛同され、きわめて多くの研究企画が立ち上がっております(→研究プロジェクトを参照して下さい)。 こうした旧来の研究分野を乗り越え、大学の壁を乗り越えた研究から、21世紀の日本の新しい法律学が、ひいては日本の本格的な社会科学が芽生えることを夢想しております。


上村達男教授のプロフィールはこちらをご参照下さい。
申請時のプレゼンテーション資料(PDFファイル 1.2MB)をご参照下さい。


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