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『会社法の現代化−最新の審議状況について−』
2004年8月4日(水)15:00〜18:00早稲田大学9号館5階第一会議室にて、商法学会の第一人者であり、法制審の会社法の現代化部会部会長である江頭憲治郎教授 (東京大学法科大学院)を迎え、最新の審議状況について講演して頂きました。
現代語化、規律不均衡の是正、社会経済変化への対応といった観点で、昨年から法制審で進められてきた会社法の現代化に向けての作業は、本年7月末時点で、 実質改正の部分がほぼまとまりました。平成15年10月要綱試案とは大きく変わった点として、江頭教授は、(1)譲渡制限株式会社(及び有限会社)の中の類型区分の撤廃、 (2)株主代表訴訟制度の見直し、(3)会計参与制度の創設を挙げられ、集まった90余名の出席者に、そこに至るまでの審議の経過や様々な議論について、詳しく述べられました。
主な項目としては、まず会社の機関設計として、有限会社が経過措置を除き原則廃止され、新しい会社法のもとで認められる株式会社へと大きく変わったこと、 中でも特に、取締役、監査役の任期の点と、監査役の権限、つまり、業務監査権限をすべての監査役に強制するかどうかという点は大きな論点となったことが紹介され、 結果的には、「取締役は会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合には、株主にこれを報告しなければならない」ことから、 相当を株主に分配してしまうような非公開会社の場合は監査役が置かれ、監査役を置かないのは、かなり小規模な会社に限られることが予想され、 要綱案に比べて良い結果となったであろうという報告がされました。また、最低資本金の下限の撤廃や、株主代表訴訟制度の見直しについては、 米国との比較においてどのように論議されたか、あるいは関係団体の意見などもお話し頂きました。
アカデミックを中心に、経済界、法曹界からも幅広い出席があり、前の商法改正をされていた稲葉威雄教授(早稲田大学)を始め、多くの方から質疑が出され、 活発な議論が行われました。日本企業の体質改善という点では、安易な倒産と再生はモラルハザードを引き起こし、公正な社会の実現にはならないという懸念や、 会計参与制度の創設に関してガバナンスの問題にも討議は及び、現在アメリカよりは10年ほど遅れているといわれる日本でのこうした動きの方向性や、 またこれまでの既得権益の調整の難しさについても言及がありました。株主の権利を強化した部分も、これも株主が本当に権限を行使するかどうかというのは別問題という指摘もありました。 今回の改正の成果を踏まえ、さらに真の現代化を目指していくにあたり、アカデミックの立場から望ましい新たな枠組みを提案するために、 今研究会は自由な観点で闊達に意見が交換できる場として様々な方からの幅広い議論が行われ、今後の研究にも大きな期待が寄せられます。
(取材レポート:伊原美喜)
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